フランス・パリで、交通渋滞の解消などを目的に、電気自動車を30分単位で貸し出す、世界で初めてのサービスが始まった。パリ支局・野尻仁記者が取材した。
「今からオートリブという画期的なサービスの開始を宣言します」
パリ・ドラノエ市長のオープニング記念式典での宣言で幕を開けた、電気自動車のレンタルサービス「オートリブ」。パリ市とその周辺の250か所に充電設備を備えたステーションを設置し、24時間、どこでも車を借りて、どこでも返却することができる新しいサービスだ。
電気自動車のレンタルサービスは、タクシーやマイカーにかわる新しい交通手段として、世界で初めてパリに導入されることになった。利用者からは「私にとっては環境が大切。自宅にも近いですから」「エンジン音が静かだけど、パワーがあるよ。道路が平らだと、全く音がしなくて、すごくいいね」との声が聞かれるなど、好評のようだ。
このレンタルサービスを利用する場合は、はじめに登録が必要になる。パスポートとフランスで有効な免許証(国際免許証など)があれば、観光客も利用できる。手続きは、モニターで会話をしながら進めていく。現在のところ、案内で使われる言語は、英語かフランス語だが、将来的には日本語のサービスも検討中だという。登録期間は「1年」、「1週間」、「1日」の3種類がある。1日の場合、登録料は10ユーロ(約1000円)だ。
手続きが終わると「オートリブ」の登録カードが発行される。この登録カードを、運転席の横の窓にあてると、ロックが解除される。そして、充電用のケーブルを外せば、車に乗ることができる。車体はコンパクトだが、"4人乗り"だ。1回の充電で走ることができる距離は、最大で250キロ。30分ごとに、5ユーロ(約500円)前後の料金が加算される。乗り心地のほうは、ガソリンで走る車と比べてほとんど変わらないが、やはり電気自動車らしく、走行中はとても静かに感じられる。
車には、ナビゲーションシステムがついており、地図の中にステーションの場所も表示される。事故や故障などの場合は、専用のボタンを押すとコールセンターに連絡することができる。また、車にはGPS(=全地球測位システム)が付いていて、コールセンターが24時間態勢で、車の動きを監視。盗難にあった場合も、すぐに発見できるという。パリを中心に、50キロから60キロ圏内を走るのが前提で、それより遠くに行った場合や、バッテリーが切れて車を返せなくなった場合は追加料金がかかる。「オートリブ」プロジェクト主任・ロドルフ氏は「ドライバー自身の責任で、車を破損したり汚したりしないよう期待します。普通に運転すれば、問題ないと思います」と、レンタルサービスのスムーズな運用に期待を寄せる。
パリ市は2007年、どこでも乗り降り自由なレンタル自転車サービス「ベリブ」を導入した。無人の貸し出しステーションは、現在、1800か所に増えている。「オートリブ」は、いわば、このサービスの"電気自動車版"といえる。2012年末までに、ステーションを1100か所、車の数を3000台に増やす計画だという。ロドルフ氏は、「3000台の電気自動車で、パリを走る2万2500台の車に取って代わるのが目的です。車の流れをスムーズにして、CO2(二酸化炭素)を3万トン削減するためです」とプロジェクトの狙いを説明する。
観光客にも評判の悪い、パリの交通渋滞。「オートリブ」は、渋滞の緩和に役立つことが期待されている。
電気自動車が増えて、
電気泥棒も増えたら困るなあ・・。
確か、先日十数円分の電気を盗んだ人が逮捕されてたよね?